ECサイトの作り方とおすすめECカート徹底比較【まとめ②】

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今回のコラムでは、「自社公式サイトを立ち上げたいが、どのカートシステムが自社に最適なのか」と悩む店舗様、あるいは「EC事業を始めるにあたり、カートシステムの基本を知りたい」という店舗様の疑問を解決するため、ECカートシステムの基礎知識から、失敗しないための選び方のポイント、そして主要カートの特徴までを簡潔に解説します。
EC事業に最適なカートシステムを見つけるための参考にしてみてください。

ECカートとは?基本とメリット・デメリット

ECカートシステムとは、オンラインストア(ECサイト)を構築・運営するために必要な基盤となるシステムのことです。商品の表示、買い物かご機能、決済処理、注文管理、顧客管理など、ECサイト運営の根幹をなす機能を一元的に提供します。
ECカートシステムを利用することで、高度なプログラミングスキルがなくても、比較的容易に自社公式のオンラインストアを開設・運用することが可能になります。これにより、ブランドの世界観を自由に表現し、顧客との長期的な関係構築を目指す「自社公式ECサイト」を構築できます。

ここでは、ECカートシステムを利用して自社公式ECサイトを運営する上でのメリットとデメリットを分かりやすく解説します。

ECカート出店のメリット
ECカートに出店する主なメリットは以下の通りです。

メリット①:自由度の高いブランディング
 ECカートシステム最大の魅力は、デザインや機能の自由度が高い点です。
ブランドの世界観を細部まで表現でき、他社との差別化を図り、顧客の記憶に残る独自のオンラインストアを構築できます。これにより、ブランドイメージの向上や、顧客エンゲージメントの強化に繋がります。

メリット②:顧客情報の完全な管理と活用
 自社公式ECサイトでは、顧客データ(購買履歴、行動パターン、属性情報など)を自社で一元的に管理・分析できます。
このデータを活用することで、パーソナライズされたマーケティング施策(CRM戦略)を展開したり、顧客サポートの質を高めたりすることが可能です。顧客との長期的な関係構築やロイヤルティ向上に直結します。

メリット③:利益率の向上
ECモールのようにプラットフォームへの販売手数料を支払う必要がないため、同じ売上でも利益率が高くなる傾向があります。システム利用料や決済手数料、広告費などはかかりますが、これらを最適化することで、長期的に見れば収益性を最大化することが可能です。

メリット④:柔軟な機能拡張と外部連携
多くのECカートシステムは、多様なアプリや外部サービスとの連携機能を備えています。
これにより、在庫管理システム、顧客管理システム、マーケティングツール、物流システムなど、自社に必要な機能を柔軟に追加・拡張できます。ビジネスの成長や変化に合わせて、最適なEC環境を構築・維持できる点が強みです。

メリット⑤:運営基盤の安定性
 ECモールに出店している場合、モールの運営方針変更やシステムトラブル、最悪の場合はモール運営会社の倒産といった事態に、販売機会や顧客基盤が大きく左右されるリスクがあります。自社ECサイトであれば、このような外部要因によるリスクを最小限に抑え、安定した運営基盤を確保することが可能です。

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ECカート出店のデメリット
一方で、ECカート出店には以下のようなデメリットも存在します。

デメリット①:集客の全てを自社で担う必要がある
ECモールのような既存の集客力がないため、自社ECサイトへのアクセスは基本的に自力で獲得する必要があります。
SEO対策、Web広告運用、SNSマーケティング、コンテンツマーケティングなど、多岐にわたる集客施策の企画・実行には、専門知識や時間、コストがかかり、EC運営の大きな課題となります。

デメリット②:構築から運用まで、手間とコストが発生する
カートシステムの選定からサイトのデザイン、商品登録、決済設定といった初期構築には時間と労力がかかります。
また、サイトの保守・管理、セキュリティ対策、機能改善といった日々の運用にも継続的な手間が発生します。
本格的な運営には、初期費用、月額費用、決済手数料、集客のための広告費用など、計画的な予算組みとコスト管理が不可欠です

デメリット③:価格競争に陥りやすい専門知識やリソースが求められる
 自社ECサイトの運営には、Webサイトの構築・管理、マーケティング、顧客対応、法務(特定商取引法など)といった幅広い専門知識が求められます。特にEC運営が初めての場合や、少人数で運営する場合は、これらを全て自社で賄うのが大きな負担となる可能性があります。ただし、近年はECサイトの制作代行や運用代行サービスも充実しており、外部の専門家を活用することで、これらの課題を解決することも可能です。

ECカートシステムを利用した自社公式ECサイトの運営は、ブランドの成長と顧客との深い関係構築を目指す上で非常に有効な手段です。そのため、メリットだけでなくデメリットも十分に理解し、自社のリソースや戦略と照らし合わせて検討することが重要です。

失敗しない!カート選びの重要ポイント

失敗しない!カート選びの重要ポイントのイメージ画像

ECカートを成功させるためには、自社のビジネスモデルや目標に合致した適切なECカートシステムを選ぶことが重要です。
数あるサービスの中から最適なものを見つけるために、以下の5つの重要ポイントを参考に比較検討を進めましょう。

◆POINT①: 費用体系(システム利用料・各種手数料など)
ECカートシステムを選ぶ上で、費用体系の確認は不可欠です。システム自体の初期費用、月額費用、販売手数料、決済手数料、オプション費用など、サービスによってコストの内訳や金額は大きく異なります。
加えて、サイト制作や運用を外部に依頼する場合の代行費用も総コストとして考慮しましょう。自社の予算や想定売上と照らし合わせ、トータルコストを把握することが重要です。無料プランや安価なプランから始められるサービスもありますが、将来的な事業拡大を見据え、必要な機能が追加料金なしで利用できるか、または追加料金が妥当かを検討しましょう。

POINT②: 機能性(基本機能・拡張性・デザイン性など
ECカートシステムの機能は、日々の運営効率や売上向上に直結します。商品管理、注文管理、顧客管理、多様な決済方法、販促機能、分析機能といった基本機能はもちろん、多言語・多通貨対応、定期購入機能、SNS連携、外部システム連携といった拡張機能の充実度も確認が必要です。
ブランドを表現するデザインの自由度やカスタマイズ性、そして検索からの集客に不可欠なSEO対策機能も重要な機能の一部として考慮しましょう。将来的なマーケティング施策や商材の特性に合わせて、システムの拡張性が高いかどうかが判断基準となります。

◆POINT③:操作性・使いやすさ
日々のECサイト運営において、管理画面の操作性や使いやすさは効率に大きく影響します。EC運営が初めての場合や少人数で運営する場合は、直感的で分かりやすいUI/UXを持つシステムを選ぶことが重要です。商品登録や注文処理のしやすさなどを確認しましょう。多くのサービスで提供されている無料トライアル期間を利用し、実際に管理画面を触ってみることが最も確実な判断方法です。

POINT④: サポート体制
ECサイト運営では、様々な課題に直面します。困った時に迅速かつ適切なサポートを受けられるかは、安心して事業を継続する上で非常に重要です。メール、電話、チャット、FAQ、オンラインマニュアルなどサポートの種類や対応時間、内容を確認しましょう。
特にEC運営に不慣れな場合は、システム操作だけでなく、EC運営に関する相談や、売上アップのためのセミナー、勉強会といった導入後のサポートが充実しているサービスを選ぶことをおすすめします。

◆POINT⑤:セキュリティ
ECサイトでは顧客の個人情報やクレジットカード情報など、機密性の高い情報を取り扱います。そのため、システムのセキュリティ対策は非常に重要です。SSL/TLSによる通信暗号化はもちろん、不正アクセス対策、データバックアップ体制、PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)準拠など、信頼できるセキュリティ機能が備わっているかを確認しましょう。
万が一の事態に備え、サイトの安全性が確保されているサービスを選ぶことが、顧客からの信頼を得る上でも不可欠です。

これらのポイントを総合的に検討し、自社の事業規模、商材、リソース、そして将来の展望に最もフィットするECモールを選びましょう。

主要ECカート徹底比較:あなたに最適なのは?

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ここまでECカートシステムのメリット・デメリット、そして選び方のポイントを解説してきました。
そこで、ここでは特におすすめの6サービスを厳選してご紹介します。
各カートシステムの特徴を把握し、自社に最適なパートナーを見つける参考にしてください。

MakeShop(メイクショップ)

特徴
国内有料ECカートで12年連続流通額No.1の実績を誇り、170種類以上の豊富な機能と高度なカスタマイズ性が魅力です。BtoB向け機能や定期購入機能も充実しており、売上を最大化する多彩な販促機能が標準で備わっています。

こんな店舗様におすすめ
・高機能とカスタマイズ性を重視し、売上最大化を目指す中~大規模店舗様。
BtoB取引や定期購入など、特殊な販売形態に対応したい店舗様。
・本格的な販促機能を活用して、戦略的にEC事業を成長させたい店舗様。

MakeShopとは?サービス概要や出店メリットなど簡単解説!:ECカート紹介①

カラーミーショップ

特徴
GMOペパボが提供する、長年の実績を持つ国産ECカートシステムです。安価な月額費用(初期費用無料プランもあり)で豊富な機能とカスタマイズ性を兼ね備えています。無料のデザインテンプレートが多く、HTML/CSS編集による高度なカスタマイズも可能です。

こんな店舗様におすすめ
費用を抑えつつ、デザインにこだわった自社ECサイトを構築したい店舗様。
・手軽に始めたいが、将来的なHTML/CSS編集による柔軟なカスタマイズも視野に入れている店舗様。
・国内の老舗サービスで、安定したサポートを受けながらECを運営したい店舗様。

カラーミーショップとは?サービス概要や出店メリットなど簡単解説!:ECカート紹介③

futureshop(フューチャーショップ)

特徴
流通額重視のECサイト構築に特化したSaaS型プラットフォームで、特に実店舗とECサイトの顧客・在庫・ポイント連携を可能にするオムニチャネル機能に強みがあります。充実した機能と高いカスタマイズ性、手厚いサポート体制が特徴です。

こんな店舗様におすすめ
実店舗とECサイトの連携を最重要視し、オムニチャネル戦略を推進したい店舗様。
・中堅~大手企業で、高度な顧客管理や在庫連携を求める店舗様。
・複数店舗展開や複雑な販売戦略に対応できる、高機能なプラットフォームを求める店舗様。

futureshopとは?サービス概要や出店メリットなど簡単解説!:ECカート紹介②

Eストアーショップサーブ

特徴
20年以上の実績を持つ老舗の国産ECカートシステムで、特に中堅・中小企業に多く利用されています。
豊富な機能と安定したシステムに加え、売上アップのためのコンサルティングサポートが充実。
BtoB向け機能や、日本の商習慣に合わせたきめ細やかな顧客対応が可能です。

こんな店舗様におすすめ
・長年の実績と安定したシステムで、安心してEC事業を運営したい店舗様。
手厚いコンサルティングサポートを受けながら、EC事業を堅実に成長させたい中堅・中小企業様。
・BtoB取引や、日本の商習慣に合ったきめ細やかな運用を重視する店舗様。

Eストアーショップサーブとは?サービス概要や出店メリットなど簡単解説!:ECカート紹介⑥

Shopify(ショピファイ)

特徴
世界No.1シェアを誇るECプラットフォームで、豊富な機能と高いデザイン自由度、約8,000種類ものアプリによる圧倒的な拡張性が魅力です。多言語・多通貨対応が標準で、越境ECにも非常に強いです。

こんな店舗様におすすめ
越境ECやグローバル展開を本格的に検討している店舗様。
・豊富なアプリを活用し、自社に最適な機能を柔軟に追加・カスタマイズしたい店舗様。
・最新のECトレンドを取り入れ、常に進化するショップ運営を目指したい店舗様。

Shopifyとは?サービス概要や出店メリットなど簡単解説!:ECカート紹介④

メルカリShops

特徴
フリマアプリ「メルカリ」内に手軽にネットショップを開設できるサービスです。
初期費用・月額費用は無料で、メルカリの月間2,200万人以上の利用者という強力な集客力が最大の魅力。
簡単な操作で出品・販売が可能です。

こんな店舗様におすすめ
・初期費用をかけずに、まずはお試しでEC販売を始めたい個人事業主や小規模事業者様。
メルカリの膨大なユーザー層にリーチし、手軽に集客したい店舗様。
・副業や、既存の事業の販路を気軽に拡大したい店舗様。

メルカリShopsとは?サービス概要や出店メリットなど簡単解説!:ECカート紹介⑤

まとめ

本コラムでは、EC事業における自社ECサイト運営のメリット・デメリット、そして失敗しないための選び方のポイントを解説してきました。
ECカートシステム選びにおいては、記事中で挙げた5つの重要ポイント(費用、機能性、操作性、サポート、セキュリティ)と、主要なECカートシステム(MakeShop、カラーミーショップ、futureshop、Shopify、Eストアー、メルカリShops)それぞれの特徴や強みを深く理解した上で、総合的に検討しましょう。
ECカートシステムは、店舗様のブランド確立や顧客との関係深化、EC事業の成長に大きく貢献する可能性を秘めています。本コラムでご紹介した比較ポイントを参考に、ぜひ店舗様に最適なカートシステムを選定してください。
もし気になるカートがあれば、各カートの詳細な出店方法やより深い情報について解説した個別コラムをぜひチェックして、EC事業の参考にしてみてください。

店舗様の「多店舗の課題に合わせて」選べ、手軽に効率化を始められるシステムです。

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